おはようございます( •̀ ω •́ )yかづきです。
株式投資において基本的な財務指標を超えた発展的な指標や概念を理解することは、より洗練された投資判断に役立ちます。今回は特に重要な4つの概念—PSR、配当性向、EPS成長率、株主資本コスト—について解説します。
私もまだまだ理解できてないこともありますが頑張ります!
PSR(株価売上高倍率):成長企業評価の強力なツール
PSR(Price to Sales Ratio)は株価を1株あたり売上高で割った指標です。特に成長初期の企業や利益を計上していない企業の評価に有用です。
PERが算出できない(利益がマイナスの)企業でも、PSRなら評価可能です。一般的に、PSRが1.0倍を下回れば割安、3.0倍を超えると割高とみなされることが多いですが、業種によって適正水準は大きく異なります。
ソフトウェア企業などの高成長産業では10倍超のPSRも珍しくありませんが、小売業などマージンの薄い業界では1倍未満が一般的です。PSRは「この企業の売上高1円につき、投資家はいくら支払っているか」を示しています。
配当性向:企業の株主還元姿勢を読み解く
配当性向は純利益に対する配当金の割合を表します。この指標からは企業の株主還元に対する姿勢と将来の成長戦略を読み取ることができます。
配当性向 = 配当金総額 ÷ 当期純利益 × 100(%)
例えば、配当性向が30%の企業は利益の30%を株主に還元し、残りの70%を内部留保として成長投資や財務体質強化に充てていることになります。
高成長企業は一般的に配当性向が低めで、内部留保を成長投資に回す傾向があります。一方、成熟産業の企業は配当性向が高く設定されることが多く、株主還元を重視する姿勢が見られます。
日本企業の平均的な配当性向は約30%程度ですが、近年は株主還元強化の流れから上昇傾向にあります。米国では40%前後、欧州では50%超の企業も珍しくありません。
EPS成長率:企業の実質的な成長力
EPS(1株当たり純利益)の成長率は、企業の実質的な成長力を測る重要な指標です。単なる純利益の成長ではなく、株主にとっての実質的な利益成長を示します。
EPS成長率 = (当期EPS - 前期EPS) ÷ 前期EPS × 100(%)
例えば、自社株買いなどで発行済株式数が減少すれば、純利益が同じでもEPSは増加します。逆に増資で株式数が増えれば、利益が増えてもEPSは減少する可能性があります。
投資家は単年度だけでなく、3年や5年などの複数年でのEPS成長率を見ることで、持続的な成長力を評価できます。一般的に、年率10%以上のEPS成長率を維持している企業は高い成長企業と評価されます。
特にPER(株価収益率)とEPS成長率を組み合わせたPEG(Price Earnings Growth)レシオは、成長性を加味した割安度を測る指標として有用です。
株主資本コスト:企業価値評価の核心
株主資本コスト(Cost of Equity)は、投資家が企業に資金を提供する際に期待する最低限のリターン率です。企業がこのコストを上回る利益を生み出せなければ、長期的には株主価値を毀損することになります。
一般的に以下のCAPM(Capital Asset Pricing Model)を用いて算出します:
株主資本コスト = 無リスク金利 + β × マーケットリスクプレミアム
- 無リスク金利:国債利回りなど
- β(ベータ):個別株のマーケットに対する感応度
- マーケットリスクプレミアム:市場全体の期待リターンと無リスク金利の差
例えば、無リスク金利が0.5%、マーケットリスクプレミアムが6%、企業のβが1.5の場合:
株主資本コスト = 0.5% + 1.5 × 6% = 9.5%
この企業は最低でも9.5%のROE(株主資本利益率)を達成する必要があります。これを下回ると、理論上は株主価値を毀損していることになります。
株主資本コストの概念は、EVA(Economic Value Added:経済的付加価値)などの指標の基礎となり、企業が真の意味で価値を創造しているかを評価する上で重要です。
まとめ
これらの発展的指標は互いに関連し合い、企業の多面的な評価を可能にします。PSRは成長初期企業の割安度、配当性向は株主還元姿勢、EPS成長率は実質的成長力、株主資本コストは価値創造の基準を示します。
これらの指標を組み合わせることで、企業の現在の状態だけでなく、将来の成長可能性や収益構造の持続性についても洞察を深めることができます。投資判断においては、単一の指標に頼るのではなく、これらの多角的な視点を組み合わせることで、より洗練された分析が可能になるでしょう。
配当株投資をしている身としては配当性向や利回りはやはり必要ですが、成長性や健全性も気になりますね。株価とかばかり気になるのはわかりますが、自分のお気に入りの保有株や投資信託の組み入れ銘柄のひとつで確認してみるといいかもですね。
コメント